服は脱がずに楽しめる温泉で、いろんな成分をご堪能ください

こんにちは。松井周です。ご無沙汰しております。
松井周の標本室は今年で三年目なんですが、その締めくくりとしてまたイベントを開催いたします。

題して「標本の湯」です。

温泉に行くような気分で遊びに来て欲しいと思います。
松井周の標本室のメンバーたちの作品がところどころに湧いておりますので、どうぞ浸かっていって下さい。

ずっと作り手と受け手という関係が窮屈だなと思っていました。もっとお互いが浸透し合うような時間や空間ってないかなと標本室をやってきました。標本室は誰がどんなふうに作品を始めてもいいし、いつでも感想や意見を言っていい、オンラインのスペースです。その人が興味を持っていることならどんどん掘り進めてもいいし、その経過は随時公開されていきます。そこである程度の形となったものが、今回の標本の湯です。

昔、太田省吾さんという方が言っていました。劇場には社会的役割を脱ぐために来て欲しいと。僕はこの言葉がとても好きです。しかし、そんな簡単には脱げないよーとも思います。だから着たまま脱ぐ。そんなふうにできないものかと考えて標本室をやっています。私たちは脱げない社会的役割を負いながら、それでも染み出してくる「自分の素」を煮詰めて固めて、「私という標本」を精製しています。標本とは、いわば、その人の成分です。資本主義社会の中ではほとんど見向きもされず、価値を認められていない、癖やズレや欲望です。

そんな標本の素が詰まった空間こそが標本の湯です。とんがってもいないし、逆にわかりやすくもないかもしれません。それに「私という成分が染み出してるから浸かりにきて」と言われたら、躊躇するかもしれませんね。

でも大丈夫です。美味しい鍋には色んなダシが必要なように、半分はみなさんの成分によって出来上がるものになっています。(標本の湯ではなく、標本の鍋というタイトルにしても良かったか? いや、出入り自由という部分は大事だからやはり標本の湯か。)

とにかく、リラックスして楽しめる空間になっています。
服は脱がずに楽しめる温泉で、どうぞ色んな成分をご堪能下さい。

松井周

松井周の標本室とは

劇作家・演出家の松井周が2020年より立ち上げたスタディ・グループです。
標本空間では、メンバーの作品を一度に発表します。

松井周の標本室 紹介資料

*標本とは?:自らの、本意ではないかもしれない「社会的な役割」「その人性(個性)」の間で揺れながら生きている者をここでは指しています。造語です…

イベント

標本室ドキュメンタリー 2020 - 2022 + 連続トークイベント "コミュニティってありなんかな?"

標本室の3年間の活動をまとめたドキュメンタリー上映ゲストトークイベントを実施いたします!

  • ◉ 3/11(土) 13:00 - 14:20

    ゲスト:桂大介さん(一般社団法人新しい贈与論 代表理事)

    「新しい贈与論」を運営する桂大介さんと、コミュニティを耕すための工夫や、コミュニティならではの力学について、知恵を共有し合います!

    桂大介(一般社団法人新しい贈与論 代表理事)

    1985年生まれ。早稲田大学在学中の2006年に株式会社リブセンスを共同創業し、2012年に東証一部(現東証プライム)へ史上最年少で上場。その後は非営利と営利とを問わず寄付活動をはじめ、2019年から推薦や投票によって寄付先を決定する共同贈与コミュニティ新しい贈与論を運営。共同性や偶然性によって導かれる、ままならない寄付を設計・実践している。

    新しい贈与論

  • ◉ 3/12(日) 19:00 - 20:20

    ゲスト:山内尚さん(漫画家) × 清水えす子さん(標本室3期メンバー)

    漫画家の山内尚さんと、標本室3期メンバーの清水さんとの鼎談を行います。コミュニティと創作の関係について、お話いただきます!

    山内尚(漫画家)

    犬を愛する漫画家。読み切り『帰る家』(ミステリーボニータ2019年1月号掲載)で第4回ロイヤル少女まんが賞入選。『わたしの歯』でアフタヌーン四季賞2018年秋の佳作を受賞。秋田書店から『魔女の村』『クイーン舶来雑貨店のおやつ』が電子単行本で二冊同時発売中。エレガンスイブ(秋田書店)にて、母の家出から始まる四姉妹の物語『よるべない花たちよ ~for four sisters~』を連載中。

    清水えす子(標本室3期メンバー)

    たまに文章を書きながら暮らしている精神科医。
    「楽しい人生」名義でねとらぼGirl sideUnicoco に寄稿している。松井周の標本室第三期メンバー。

参加作品

内容は一部変更になる可能性があります

タイムテーブル

pdf資料

会場

元映画館@日暮里

東京都荒川区東日暮里3丁目31−18 旭ビル 2F 

JR常磐線 「三河島」駅 徒歩
JR山手線 「日暮里」駅 徒歩15

チケット

標本の湯♨(仮) 標本空間vol.3

会場
元映画館@日暮里 およびオンライン
期間
2023.3.10fri - 12sun

料金
1日
500(一部プログラムは別料金)

ご予約

スタッフ

助成
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
協力
有楽町アートアーバニズムプログラムYAU
一般社団法人ベンチ
主催
有限会社quinada
一般社団法人サンプル
株式会社アプレシア