サンプル:09
女王の器
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
2012年2月17日[金] - 26日[日]
- 作・演出
- 松井 周
- 出演
- 古舘寛治古屋隆太奥田洋平野津あおい岩瀬亮羽場睦子 稲継美保川面千晶菊池明明とみやまあゆみ師岡広明
言葉が強迫観念的にまとわりついたり、福音のように響いたりするのは
ツールとして優れているわけではなくて、弱点じゃないかと思うことがある。
もっと言葉はバイアスのかかっていない状態で消費されるべきじゃないかと。
もう少し地味にというか、物事一つにつき、言葉一つ、二つの状態が望ましいのでは?
お汁粉→甘い、美味しい
ペニス→おしっこする、性器でもある
とか。
でもどうしてもバイアスをかけたくなる衝動から
お汁粉×ペニス→甘く危険な香り→通過儀礼→解脱
という連想を走らせて物語を紡いでみたくなる時もあるだろう。
そんな物語に身を任せていたいような。
いずれにしても、言葉に、イメージに、身体が翻弄させられるなら
それはもうしょうがないんだけれど
いちいち突っ込みを入れるのは忘れないようにしたいということだ。
『女王の器』の始まりはただの言葉で、そこから人とか物とか光とか音を伴い
旅に出て帰還するまでを描くだろう。
あらゆる突っ込みを誘うようにして旅は進むに違いない。
観客から、現実から、演劇から、時間から、宇宙から突っ込まれるように
できたらいいなあ。
そしてまた、ただの言葉に戻った時に
それはもはや言葉とは呼べない何かに「変態」していることをのぞむ。
松井周