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【ファーム】俳優インタビュー(第6回目 : 金子岳憲)

2014.09.18

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ラスト第6回目は客演の金子岳憲さんです!

◆ 台本を読む前に『ファーム』をどんな作品と想像しましたか?

 「ファームと聞いて、そのまんま食物を育てる農場を思い浮かべました。
サンプルの過去の作品では度々、共同体とか理想郷が舞台になってる作品が多いので、舞台の設定はこれで決まりか?しかし、それではひねりがないのでもう一つ無理に連想したのが、野球の二軍、30年くらい前にテレビで見たロッテとか日本ハムの二軍の雨ざらしの球場を連想しました。記憶の中で色褪せた感じで。
 まさか野球?雨ざらしの河川敷の球場…歴史に置いていかれた2軍。ファミスタ?あり得ないので、それ以上考えるのはすぐにやめました。

◆ 稽古と松井さんの演出についての感想

 松井さんの演出は部分的な細かいことも面白いのですが、そのもっと外側の舞台上で現前化している事からの延長線ではあるんですけど、それとはまた別の感覚を何とか演出によって表現しようとしているところが面白いです。
 稽古中に松井さんは僕らの目の前で悩むし、時には意見を求めてきます。剥き出しです。僕ら役者と作家、演出家が一緒になって稽古をしている感じがとてもします。
 それと、今回は松井さんは台本を書いては訂正して稽古をしてはまた台本を訂正してと、この作業を結構繰り返しています。中にはボツになってなくなったシーンや台詞が沢山あります。
 演技をする上でそれが支えになっています。お客さんにとっては、上演時の台本が舞台上で展開されるわけですが、僕にとっては松井さんが書いたボツ台詞やシーンが最新版の台本上でお芝居する時の下地やヒントになっています。
 演じるシーンの過去に何があったとか、この前の時間は何してたとか、役者は想像して埋めたり、できるだけ豊かにした方がいいと思うんですけど、松井さんがそれをこぼして行ってくれるので。
 もう使わなくなったけど、体の中にもう入れちゃったそれを咀嚼したり反芻できて、助かるし、中々無い経験です。

◆ お客様へ一言お願いします

 今回の作品は、突き放した虚構ではなくて自分に跳ね返ってくる作品にような気がします。と言うかそうなると面白いなと思っています。
 お客さんに観て貰って完成するんじゃないかと。当たり前の事なんですけど。。。宣伝ってことじゃなくて、観てもらいたいな。
 直近の過去を振り返ってばかりいる童貞的なお話しじゃなくて、確認しながら先に進もうとする今の話しのような気がします。お時間さえ合えば是非、お待ちしております。

9月13日(土) 第1回 古屋隆太
9月14日(日) 第2回 町田マリー
9月15日(月) 第3回 奥田洋平
9月16日(火) 第4回 羽場睦子
9月17日(水) 第5回 野津あおい
9月18日(木) 第6回 金子岳憲