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ファーム【1】

2014.08.15

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8月9日
 今回の公演は創作日誌をつけようと思っている。今、考えていること、やっていることをなるべく自分でも整理したいからだ。
そうは言っても、演劇は集団作業なので、思っていた通りにならなかったり、
頭のなかで考えていたよりも面白いことが稽古の中で見つかったりもするので、
そんなことも書いていきたい。ネタバレになるかどうかはわからない。
でも、特にサンプルの場合、ミステリー要素が強いわけでもないので、大丈夫なんじゃないかなあという予想。

稽古場でやっていることと僕が考えていることを並行して書いていく。
まとまらなかったり、垂れ流す感じになってもとにかく書くつもり。

 『ファーム』の稽古が始まって4日が過ぎた。今回は「会話」をなるべく細かく見せていきたいと思っている。ずっと、台本を手にして、ゆっくり会話をするということを繰り返していた。この作業は俳優同士のコミュニケーションと会話内容の理解に役立つ。普通だったら反射的に発する台詞も、サーっと流してしまうような台詞もとにかく、意味内容が伝わるように相手に向けて投げかける。投げかけられた方もきちんとその投げかけられた内容を認識してから、次の自分の台詞を予想したりしてから初めて自分の台詞を見る。そこで起こる「ああ、こんな台詞なんだ」という感覚を味わってから、その台詞を投げ返すというくり返し。
 この稽古をしていると、俳優が台詞に対して違和感を持っていることや、しっくりきていることなどが見えやすい。もちろん、まだこの段階ではどっちでもいい。まずは、台詞というツールを使って、相手とのコミュニケーションを楽しめれば。役作りの一歩手前の感覚。
 この先からは、イスやテーブル、小道具など環境の中で台詞を言い合う稽古に入っていく。これまた違う感覚が敏感になっていくだろうから、それを味わってもらう。
松井