9月29日
前回の投稿を読んだら、まだ8月だった。今はもう東京公演を終えた翌日。
この頃の自分に会えたら言いたいのは、「結局、台本が出来たのは、本番初日だからな」ということ。
「もっとペース上げた方がいい」とアドバイスしたい。
いわゆる完本は9月第一週終わりだった気もするが、結局、修正を重ねた。
台本が書けたと言っても、そこからドラマターグの野村くんと修正していく。
『永い遠足』の時もそうだった。
今回はわかりやすさというか、どういう人間関係でどういう構成で話が進んでいくかを
なるべくシンプルにするのが目標であったので、そこにこだわった。
とは言いつつ、書く時はどうしても自分の無意識や自分のくせに走ってしまう部分もあり、
何となく、いつものサンプルの「確率の低い行動や性癖」へ台本を進めてしまうようなところがある。
そこを野村くんが「この台詞のやりとりは何をあらわしてますか?」「ここは何も情報が更新されないので、難しいかもなあ」とか
言うことで、僕にもブレーキがかかる。
ムッともするけど、とにかく一旦、シーン自体の目的を考えざるを得ないので、
頭がフル稼働状態に入り、必死にプレゼンをするので、
そこから新しい展開のヒントが生まれることもある(それでも生まれない時は、結構絶望的な気分になることも)。
そうやって、構成や台詞の検証を重ねていった。
つまり、そうすると、テーマも絞られてきて
僕が目指したいのは「家族」「生殖」「精神」という
これらのフィクションから自由になることを目指したい。
というようなことを言った気がする。
野村くんは「けれど、夫婦ゲンカからそこにたどり着くことは出来ないかもしれない。
今の台本のままだとそれは難しい。やっぱり、息子を中心にしないとそれは無理かも」というような
提案があり、その方向に構成しなおしていった。
松井