8月26日
町田マリーさんとお仕事をするのは初めてなので、
稽古場では、一つずつ、僕は何を面白いと思っていて、何に違和感があるかを
なるべく口にしているような気がする。
そうすることで、自分でも自分の演出の方向を確かめながらゆっくり進めている感じ。
幸い、わりとスムーズに稽古が進んでいると思う。
今回の作品の手応えは何となくいつもと違う気がする。
いつもはあらゆる方向から線を引っ張ってきて、
それが最終的にどういう絡まり方をするかを追うという作り方だとすると、
今回はわりと狭いつながりの中の線がゆっくりたっぷり絡んでは
じわじわと相互に影響を及ぼしていくようなつくり。
かと言って「人間ドラマ」かというとそうでもなく、
空間やモノにも寄っかかってるというか、動物的でもある。
台本がもうすぐ出来上がりそうなのに、まだ決めかねていることがあり、
すっきりしない。
気分転換にと読み始めた『ドグラ・マグラ』が面白い。
十代の頃に読んで挫折して、今読み始めたら、すごく面白い。
音とか光のセンサーが研ぎ澄まされてきて、
小説読解のための筋肉をそんなに使わなくていいのがいい。
松井