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ファーム【8】

2014.10.8

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10月8日

明日は北九州に移動して、仕込み。北九州芸術劇場。
この作品で使われてる音はほとんど宇波拓さんに作ってもらったもので、現場で何度も修正して今の形になった。
生音(?)を使っている部分がいくつかあり、これは舞台装置でもあり、パフォーマーでもあるという形に落ち着いた。実際、この生音(?)を演奏するものたちに
一番手こずったかもしれない。
音響の牛川さん、宇波さん、野村くん、谷澤さんと劇場で色々試したのも懐かしい。
でもギリギリだったなあ、あれは。
宇波さんが「演劇の人たちって、こんな締め切り前の漫画家みたいな感じで作るんですか?」と、びっくりしたように質問したのも面白かった!

サンプルのコンセプトとして、俳優と舞台装置などをなるべく等価にしたいという願望があった。これは、俳優が環境と適応している状態が面白いと思っているからで、舞台装置を「背景」として捉えたくないし、俳優を「キャラクター」に押し込めたくないからだ。

とすると、生音(?)を発するものたちをうまく風景に溶け込ますにはどうすればいいのかをずいぶん考えた。彼らは俳優がいないととてもよく映えるのだけど、それだけだと俳優以上に「キャラクター」に寄り過ぎるし、コンセプチャル過ぎる。だから、なるべく目立たないように存在させつつ、どこかで蠢かせたい。彼らを俳優たちや環境と同居させたいと思った。
何のことを言ってるか観ていない方にはわかりづらいかもしれませんが、まだ公演が残っているので何となくぼかしています。

結果として、いい形に収まっていると思う。
この作品をきっかけにして、宇波さんと色々話すことができてよかった。
サンプルの新しい方向性、可能性を見つけることができたように思う。

松井