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ファーム【3】

2014.08.21

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8月16日
 今回の稽古の進み具合はゆっくりな方だと思う。先に段取りを決めていくよりも、台詞と俳優の存在と空間(テーブルや小道具も含む)との関わり方をヒントに、一体ここで何が行われているのか、何が行われようとするのかを感じ取ってもらいながら進めたほうが、結局は近道のような気もするので、ゆっくり進めている。
 台本も書き進めている。情けない話、朝起きて、なんか脳内物質が足りてない感じがする時が四十歳を過ぎてから多い気がする。エビオスを飲んでみたり(あ、これは一時的に調子が良かったことがあるので何となくそうしてるだけ)、娘と体操をしてみても、なんか鬱々としていたりする。目にする情報のほとんどが気力を萎えさせるものだったりするという理由もあるかもしれない。もしかして、これまでかなり楽天的に過ごしてこれたのは、無知だったからとも言えるだろう。普通に生きてたら、鬱々としないわけないじゃんと誰かに言われそう。
 でも、台本を書いているときは大抵、鬱々としてるとは言える。あまり人と会いたくないし、人と会った時のチューニングを間違えて、表情が引きつったりする。
 台本は構築物だと思っている。今回は。これまでは流れに任せて書き、小さい断片を幾つも作り、果てしなくなる前に、追い詰められたところで何とか強引に結びつけて観るという書き方もしていたけれど、今回はなるべく、軸をつくり、そこからはみ出さないようにと書いている。脱線したい。脱線したいとムズムズしてくるがこらえて書く。
 頭の中はダークなことばかり。「人間の皮をかぶった獣」が悪徳の限りをつくすような。でも、これはサドの妄想にはかなわない。収監された状態でのその種の妄想に勝てるわけないというか、ドラゴンボールとかのインフレ方式で次々とものすごい「獣」が登場するが、もう人間離れし過ぎてるから、演劇にならない。演劇はもっと中途半端な現実と虚構のキメラに寄らないと。
 いや、小さな滑稽さにも寄らないとダメだ。とにかく、書いてる日々。松井