03 WEB
身体感覚の共有は可能か?
- 所要時間
- 約20分
あなたの「かゆい」はわたしの「かゆい」?
「お腹が痛い」という言葉があるじゃないですか。生まれてこの方ずっと普通に使っている言葉ですが、でもよくよく考えると違うのではないかと思うのです。腹痛の時を思い出してみて下さい。あの、内臓が悲鳴をあげているような、内側がねじれて絶望的な気持ちになる不快感、さーっと血の気が引いて倒れてしまうような感覚は、あれは本当に「痛い」であってるんでしょうか? ...え? 痛い? あ、痛いですか? そうか、「きりきりと痛む感じ」...なるほど。痛い、って言うのがしっくりくる人もいるんですね。あー...。えっと、じゃあ、私が思ってる「痛い」は、あなたの「痛い」とは少し、違うかもしれません。「痛い」って言葉で表してはいましたけど、もしかしたら全然違うこと言っていたかもしれません。だとすると、「かゆい」も「おなかすいた」も、全部全部、違っていたかもしれないですね。...あのー、でしたらその、答え合わせをしませんか? ちょっとの時間、お互いの感覚のちがいについて、一緒に考えてみませんか?
私道かぴ シドウ カピ
作家・演出家。京都を拠点に活動する集団「安住の地」所属。最近は身体感覚をテーマにした作品を発表。
〈選書〉
『人は皮膚から癒される』(山口創)
『コロナ禍をどう読むか--16の知性による8つの対話』(奥野 克巳 ほか)
『コロナ禍をどう読むか--16の知性による8つの対話』(奥野 克巳 ほか)