13 常設展示(参加型)

粘菌AIと感情を考えよう

所要時間
約5分
声の協力
小池舞
酒井進吾
鄭亜美
辻村優子
綿貫美紀
技術が発達し、生物や人間の振る舞いと同じ、もしくは似ているAIやロボットが開発されるようになりました。
AIやロボットが心や知能を持っていると感じる人はいない、もしくは少数だと思います。感情や知能は工学で定義できておらず、では感情とは何かと問われると、答えることが現状ではできません。私は大学、大学院で遺伝的アルゴリズム、機械学習を研究しており、いわゆる一般的なAIがどのような技術か学びました。標本室に参加し、自分の学んだAIとは異なるもっと人間でも動物でも昆虫でもない生物を、創造したいという欲求がフツフツと発生し、新生物(のようなAIを)創造しました。粘菌AIとは、セルオートマトンと呼ばれる数学を応用した自作のプログラムです。粘菌AIは観客の言葉を食べ、人間とは異なる独自の喜怒哀楽を発生させ、観客の言葉を咀嚼していきます。言葉は粘菌AIの粒に記憶され、粒のパターンの変化と共に独自の感情が変化し、最終的に粘菌AIの感情を表現する言葉を生成します。粘菌AIという名称は標本室のメンバーが「粘菌と話しているみたい」と言ったことから、粘菌AIと呼ばれるようになりました。正式名称はまだありません。

〈皆様へ〉

操作手順をご覧の上、PCを操作してお楽しみください。
幸村明典 写真

幸村明典 コウムラ アキノリ

大学院で第1世代の人工知能と呼ばれたアルゴリズムを研究しており、IT系の企業で人工知能とは異なる仕事をしている。三重県で戯曲を書く教室に参加し、演劇のおもしろさに出会い、標本室に参加。標本室のメンバーの発表を見て、人工知能も演劇に応用できると思い、粘菌AIを作成。

〈選書〉

『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン)
『複雑系 (図解雑学) 』(今野紀雄)